潤一郎ラビリンス (11)

 短編小説 『人面疽』、『アヹ・マリア』、『青塚氏の話』、『過酸化マンガン水の夢』 ほか随筆6編収録。
 『潤一郎ラビリンス』 というアンソロジーはほとんどが大正期の (正直言って微妙な) 小説を収めているのだが、今回は冒頭の 『人面疽』 から、おっ、と思わせる書き出しである。それから、『過酸化マンガン水の夢』 は珍しく昭和30年発表の、谷崎晩年の作品なので楽しみだ。