第7講 夏目漱石『三四郎』(3)

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遅刻してしまいました

 今回は電車遅延のため遅刻してしまったため(といっても5分くらいですけど)、講義ノートは途中から。最初の部分は以下のエントリに記されています。
代理レポート途中まで - 妄想日記

講義ノート

 講義の最中にとったノートをほぼそのまま写したものなので、文責はすべて kanimaster にあります。

  • 美禰子は三四郎のことを好きだったのか?
    • 三四郎のことを好きなふりをして、野々宮を嫉妬させようとした、という説。
    • 男を支配下に置こうとした。
  • 田中優子 徳川時代にストーカーはいなかった。
    • 電話も手紙もなかったから。長距離用の飛脚はあったが、近くに手紙を届けるというのはなかった。
    • その代り、強姦は多かったのではないか。
    • 英国には痴漢がいない?
      • 日本のような満員電車がないというのもあるが、女の体を触るだけでは満足しないのではないか。
  • 三四郎の下宿には、下女がいた。(三 轢死の場面参照)
    • しかし、下女は全く問題外となっている。身分社会の問題。プライド?
    • 志賀直哉 『大津順吉』 は下女と関係する話。
    • 有島生馬は、恋仲の下女を志賀直哉に託して5年間留学。帰国後、彼女を捨てる。30年後に志賀は 『蝕まれた友情』 を書いて、生馬と絶交した。
  • 羊の絵について
  • 美禰子の長兄は広田先生と同い年だが、早く亡くなった。昔はよく人が死んだ。
  • 与次郎に金を貸す場面
    • 「自分の己惚れを罰する為とはまったく考え得なかったに違いない。」 漱石精神主義
  • 石原千秋 三四郎=童貞説
    • 熊本には東雲楼(しののめろう)という遊郭があった。三四郎もそこへ行ったことがあると考えるのが自然。
    • だからといって、美禰子のような素人女に対抗できるわけではない。
  • 小口当座預金通帳(あずかりきんかよいちょう)
    • 美禰子は自分名義の口座を持つことができなかった。女だから。
  • 「これもヴェニスですね」 三四郎が振られる場面
    • 三四郎は背の高い男である。」
    • 帝国大学、金持ち、背が高い。三高が揃っているのに、振られるのはなぜか。
    • 三四郎の顔については、書かれていない。
    • ある女子大で、学生に 『三四郎』 を読ませたら、多くの者が三四郎を好きにはなれないと答えたらしい。
  • 「戸口を出る拍子(ひょうし)に互いの肩が触れた。男は急に汽車で乗り合わした女を思い出した。美禰子の肉に触れたところが、夢にうずくような心持ちがした。」
    • 「美禰子の肉」 という表現は漱石独特。
  • 里見恭助が結婚すると、美禰子は小姑になる。それが嫌で、彼女は結婚した、という説。(小森陽一

「あなたに会いに行ったんです」
 三四郎はこれで言えるだけの事を悉く言った積りである。すると、女はすこしも刺激に感じない、しかも、例(いつも)のごとく男を酔わせる調子で、「お金は、彼所(あすこ)じゃ頂けないのよ」と言った。三四郎は落胆(がっかり)した。

  • 「車の上の若い紳士」
    • 美禰子の結婚相手。30歳くらい?
  • 広田先生の夢
    • 20年前、文部大臣森有礼(ありのり)の葬儀のときにに出会った十二三の女が夢に出てくる。
  • ハムレットとオフィーリア
  • 与次郎が彼女を振った話
    • 「どうしたか知らない。林檎を持って、停車場に待っていたんだろう」
    • 当時の男はひどかった。
    • 森鷗外舞姫』 西洋に留学して現地妻がいる、という男は多かったのだろう。
    • 里見とん

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