村上春樹 『ノルウェイの森』


 本棚から『ノルウェイの森』を取り出してみたら、こんなカバーだった。ふだん文庫本を読んでいる最中はブックカバーをつけているため、気付かなかったのだが、現在書店に並んでいる赤と緑のカラフルなもの(最初に出た単行本は赤と緑だった)と違い、ごくシンプルなものだ。活字も小さく、1冊あたり260ページ程度のものである。
 奥付を見ると、1994年と印刷されている。15年も前じゃないか。
 ページをめくると、1987年の 《僕》 が西ドイツで飛行機に乗っていて、1969年のことを思い出そうとしていた。
 そして、読んでいるほうの僕は、40年前の世界へと入っていく。