2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

志賀直哉 『十一月三日午後の事』

晩秋には珍しく南風が吹いて、妙に頭は重く、肌はじめじめと気持の悪い日だった。 志賀直哉 『十一月三日午後の事』 大正7(1918)年11月3日は蒸し暑い日だったらしい。「七十三度」(華氏) と書かれているから、摂氏に換算すると 22.7度である。 この日、…

晩秋

新旧とりまぜて。 焼芋の煙たなびく並木道 秋の星満天に見ゆ成層圏 レコードのノイズも楽し秋の夜 ひよどりも耳を澄ませるショパンかな 萩咲く日巡り来たれりこの年も 赤白の玉を投げ上ぐ秋の空 道端に何時しか咲きし野紺菊 誰も皆齢を重ねし里の秋 下駄箱の…

横光利一 『御身』

大学生の主人公末雄の姉に、幸子(ゆきこ)という女の子が生まれる。彼は姪のことが可愛くてたまらず、彼女にまつわる全てのことに一喜一憂し、一人で大騒ぎする。 彼は自分の幸子に対する愛情の種類を時々考えて、 「俺は恋をしてるんだ」とまじめに思うこ…

泉鏡花 『海城発電』

『海城発電』は明治29年に発表された短編小説。海城とは日清戦争(明治27〜28年)当時、日本軍が占領した中国遼寧省の地名であり、戦場を舞台にした戦争小説である。 日本人の赤十字看護員が、友軍の軍夫(軍人)に囲まれ、リンチ同様の仕方で尋問されている…

泉鏡花 『売色鴨南蛮』

『売色鴨南蛮』 は大正9年に発表された短編小説。 冒頭の場面は、雨の万世橋駅。「例の銅像」 のこともちゃんと書かれている。 威(おどか)しては不可(いけな)い。何、黒山の中の赤帽で、其処に腕組をしつつ、うしろ向きに凭掛(もたれかか)っていたが、…

泉鏡花 『女客』

『女客』 は明治38年に発表された短編小説。 当家の主人 謹さんは母親と二人暮らしの独身者。そこへ上京した親戚の女 お民が幼子を連れて逗留している。謹さんとお民は同い年。最初は何気ない世間話をしているが、次第に謹さんの愚痴話になる。暮らしが貧し…

はてブの「おすすめタグ」が変です

上の画像のとおりなんですけど、記事とは無関係な 「おすすめタグ」 が並んでいます。[勝間和代] とか [ブログレンジャー] といったタグは、以前僕が他の記事に対して使ったことのあるものばかりですが、今までこんなことはありませんでした。もちろんこの記…