2009-11-10から1日間の記事一覧

谷崎潤一郎 『過酸化マンガン水の夢』

『過酸化マンガン水の夢』 は昭和30年に発表された日記形式の短編小説。フィクションなのだろうけど、自著に言及している箇所があるので、主人公は谷崎自身といってよいだろう。 ……田村町の某と云う中華料理店に夕食をたべに行く。高血壓以来中華料理は兎角…

谷崎潤一郎 『青塚氏の話』

映画監督中田は一人の中年男に出会う。男は、中田の妻であり女優の由良子が主演する映画は全て、何度も見ており、彼女の身体の隅々まで覚えているのだと云う。 「君は由良子嬢の体に就いては、此の世の中の誰よりも自分が一番よく知っている積りなのかい?」…