Thelonious Monk / 5 By Monk By 5

5 By Monk By 5

5 By Monk By 5

 アルバム・タイトルは「5人で5曲」という意味。トランペット(本作ではコルネット)、テナー・サックス、ピアノ、ベース、ドラムという編成は、モダン・ジャズにおいては最も一般的だが、モンクのクインテット作品は意外に少なくて、最初期のブルー・ノート盤と本作しか残されていないようだ。
 オリジナル LP は全5曲入り。CD は (3) の別テイクが2トラック追加されている。5曲ともモンク作曲のオリジナルで、(1) と (3) が新曲。ほかは旧作の再演である。
 アップテンポの (1) は4ビートなのに、行進曲みたいな感じのする不思議な曲。(3) は無調音楽に近い、50年代のジャズとしては相当難解な部類に入る曲だ。(2) と (4) はライヴでおなじみのレパートリーだが、ここではいずれもテンポを落とし、ミディアム・テンポでじっくりと管楽器を歌わせている。(5) は10分を超える長尺のスロー・バラード。
 サド・ジョーンズ以外のメンバーは、前作 "The Thelonious Monk Orchestra Live At Town Hall" にも参加していた。しかし、10人編成の前作と比べて、5人編成の本作のほうが賑やかな感じがする。モンクのピアノも本気を出している。