The Thelonious Monk Orchestra At Town Hall
At Town Hall [Keepnews Collection]
- アーティスト: セロニアス・モンク
- 出版社/メーカー: Universal Music LLC
- 発売日: 2008/06/18
- メディア: MP3 ダウンロード
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- 1959年2月28日録音。
- Thelonious Monk (p), Donald Byrd (tp), Eddie Bert (tb), Robert Northern (frh), Jay McAllister (tuba), Phil Woods (as), Charlie Rouse (ts), Pepper Adams (bs), Sam Jones (b), Art Taylor (ds)
10人編成の 《セロニアス・モンク・オーケストラ》 による企画もの。ニューヨークのタウン・ホールでライヴ録音された。
オリジナル LP は全6曲入り。臨時編成の 《オーケストラ》 の演奏は荒っぽいが、迫力は満点。Hall Overton というアレンジャーが編曲を手掛けている。*1 ジャケット写真を見ると、10人のうち4人が白人であり、白黒混合編成だったようだ。ドナルド・バード、ペッパー・アダムスといった当時の実力派ミュージシャン、新進のフィル・ウッズ、これが初参加となるチャーリー・ラウズ等が、ソロをつとめている。
(2) "Friday The 13th" はプレステッジ時代のモンクが、ソニー・ロリンズ等と録音した曲(原曲は単調でつまらない)だが、激しいソロ合戦になっていて、意外にも一番盛り上がっている。
CD はボーナス・トラックが4曲追加されている。(7) はアンコール・ナンバーで、(4) と同じ曲。(8)〜(10) はラウズ参加のカルテット演奏だ。(カルテットは実際にはコンサートの前半に演奏されたのではないかと思う。)
テナー奏者チャーリー・ラウズ(1924〜1988)は、10年以上モンクと共演を続けたミュージシャンで、はっきりいうとモンクとの共演盤以外に有名な作品がほとんどないひとである。しかし、モンクとの相性は抜群で、どんなに難解な曲でもリズムを崩さずにサックスを吹く独特の演奏スタイルを持っている。
本作におけるモンクのピアノは、あいかわらずのマイペース。オーケストラのリーダーという感じがちっともしない。むしろ、この楽団を支えているのは、アート・テイラーのドラムなのではないか。そういえば、アート・テイラー参加のライヴ盤は意外と少ない気がする。
*1:Overton 編曲によるモンクのオーケストラ作品は、1963年にもう1枚、"Big Band & Quartet In concert" というタイトルで発表されている。