Thelonious Monk and Sonny Rollins

Thelonious Monk & Sonny Rollins: Rudy Van Gelder

Thelonious Monk & Sonny Rollins: Rudy Van Gelder

 モンクのプレステッジ・レーベルから発表された最後のアルバム。3つのセッションで録音されていて、言い方は悪いがよせ集め的な内容である。
 (1) と (2) はソニー・ロリンズを大々的にフィーチャーしたスタンダード・ナンバー。カルテット演奏だが、ほとんどロリンズしか活躍していない。特に (1) はモンクのソロが30秒くらいしかないのである。なお、このセッションからは、もう1曲 "More Than You Know" が録音され、ロリンズのアルバム "Moving Out" に収録されている。
 (3) と (4) はモンクのオリジナル曲で、パーシー・ヒースアート・ブレイキーとのトリオ演奏。アルバム "Thelonious Monk Trio" セッションの残りものだが、こちらの2曲のほうが楽曲、演奏の複雑さ、メンバーのノリともに優れていると思う。特に、(4) "Nutty" は名曲で、モンクはライヴで必ず演奏するようになる。
 (5) はアルバム "Monk" セッションの残りもので、ロリンズとジュリアス・ワトキンスを含むクインテットによる演奏。モンク作曲とクレジットされているが、循環コードを繰り返すだけのジャム・セッション風演奏である。延々と同じパターンが10分以上も続く変な曲で、後半など完全に破綻しており、最後はドラムがブチ切れて終わる。