Bill Laswell / Panthalassa : The Music Of Miles Davis 1969-1974

Panthalassa: The Music Of Miles Davis 1969-1974

　1998年に発表されたリミックス・アルバム。名プロデューサー、ビル・ラズウェルが60年代後半から70年代にかけてのマイルスの作品を大幅に編集した作品である。
　全4トラック、60分。メドレー風にいくつかの曲がつながっているトラックが多いが、全体にオリジナル盤より時間的には短くなっている。

　この『パンサラッサ』って、新しい音は全然加えてないんですよね。これはビル・ラズウェルが意図的にそうしたんでしょうかね。どうしてそうしたのかっていうところにも興味がありますね。
　オリジナルが大きすぎて、他の音を入れられなかったのかも知れないですけど。聴く前のイメージとしては、けっこうグシャグシャにしているかなと思ったんですけど、そうでもないので、アレッという感じはありましたね。“アンビエント”というのをキーワードにして、確固たる何かがあって、それで選曲やリミックスをしたんだと思いますけど。

　「DJ KRUSH talk about MILES」（日本盤 CD 収録のインタビュー記事）

　4トラックのうち、(2) の "What If" と "Agharta Prelude Dub" は本作発表当時、未発表だったスタジオ録音音源が使用されている*1。それ以外は、エレクトリック期のマイルスのベスト盤として、十分鑑賞に堪える作品になっていると思う。

*1:のちに "The Complete On The Corner Sessions" に収録された。