Miles Davis / Miles Davis At The Fillmore : Miles Davis 1970 : The Bootleg Series Vol. 3
Miles at the Fillmore: Miles Davis 1970:
- アーティスト: Miles Davis
- 出版社/メーカー: Sony Legacy
- 発売日: 2014/03/25
- メディア: CD
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- 1970年6月17〜20日録音。Miles Davis (tp), Steve Grossman (ts, ss), Keith Jarrett (organ), Chick Corea (el-p), Dave Holland (b, el-b), Jack DeJohnette (ds), Airto Moreira (perc, fl, vocal)
- CD1-(7), (8), CD3-(8) …… 1970年4月11日録音。Miles Davis (tp), Steve Grossman (ts, ss), Keith Jarrett (organ), Chick Corea (el-p), Dave Holland (b, el-b), Jack DeJohnette (ds), Airto Moreira (perc)
2014年3月25日に発売されたばかりの4枚組 CD セット。全31曲、4時間11分収録の大作である。
1970年6月17〜20日の4日間、フィルモア・イースト(ニューヨーク)に出演した際のライヴ演奏が CD 1枚ずつに収録されている。従来、発表されていた "Miles At Fillmore" (以下「旧盤」)と同じテイクだが、今回の新盤(以下「新盤」は無編集版といわれており、約2倍の収録時間になっている。
3曲のボーナス・トラックは、1970年4月11日、フィルモア・ウェスト(サンフランシスコ)におけるライヴ録音。
以下、箇条書きで記す。
- 新盤はリミックスされていて、音がまったく違う。
- キーボードはキース・ジャレットが左、チック・コリアが右チャンネルになっている。(旧盤と逆。)
- ベースとドラムは分離が良く、音質が格段に向上した。旧盤のモコモコ、グニャグニャした感じがなくなった。
- スティーヴ・グロスマンはソプラノ・サックスだけでなく、テナーもかなり吹いている。在籍期間の短いメンバーだったけど、けっこう良いと思った。
- キーボードの音がうるさくない。チックのソロはたっぷり聴けるが、キースは目立たない。
- フルートを狂ったように吹きまくる人がいると思ったら、アイアート・モレイラだった。彼は歌も歌っている。
- 肝心のマイルスのトランペットの音は、旧盤と変わらない。(案外これは大事なことなのだ。リミックスされたら音が軽くなってしまったアルバムもあるのだから。)
- 4日間とも似たような選曲・曲順で、演奏内容もほとんど区別がつかない。旧盤では6月19日の演奏の評価が高かったが、前半20分以上がカットされていたため、印象が違ったのかも。
- マイルスがフィルモア・イーストに初出演した1970年3月6〜7日は、ニール・ヤング&クレイジー・ホースとスティーヴ・ミラー・バンドとの3ステージだったことが判明した(ニール・ヤングはこのときのライヴ盤を発表している)。出演順は不明だが、看板写真が収録されている。
- 旧盤のジャケットの表と裏に顔写真が掲載されている女性がいるのだが、彼女の上半身の写真が新盤に掲載されている。すごい美人だけど、誰なんだろう?
- ボーナス・トラックの3曲は、アルバム "Black Beauty" の翌日の演奏。ステレオ録音だが、音質が非常に悪く、高音は完全にこもっていて、テープの回転ムラが目立つ。ブートレッグだとしてもかなり劣悪なレベルで、鑑賞に値しない。