Miles Davis / Bag's Groove
- アーティスト: MILES DAVIS
- 出版社/メーカー: CONCO
- 発売日: 2008/04/01
- メディア: CD
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- (1), (2) …… 1954年12月24日録音。Miles Davis (tp), Milt Jackson (vib), Thelonious Monk (p), Percy Heath (b), Kenny Clarke (ds)
- (3)〜(7) …… 1954年6月29日録音。Miles Davis (tp), Sonny Rollins (ts), Horace Silver (p), Percy Heath (b), Kenny Clarke (ds)
1954年6月と同年12月、二つのセッションを収録したアルバム。ただし、12月録音はタイトル曲(2テイク収録)のみである。
(1) と (2) はミルト・ジャクソン作曲であり、タイトルの "Bag" はミルトのニックネームであり、ジャケットにも大きな文字で BAGS GROOVE と書かれている。このきわめて単調なブルース曲が、アルバムのトップに2テイク連続で収録されているのは、ご覧のとおりプロデューサーによる「ミルト・ジャクソンごり押し」なのだ、というのが僕の見解である。
とにかく、タイトル曲がつまらない。単調で、ノリが少なくて、メンバー同士の絡みもほとんどなくて、セロニアス・モンクの出番が少なくて、だらだら長い演奏が合計20分も続くのだ。(テイク2では、ケニー・クラークがドラム・スティックを落とす音が聞こえる。彼にしては珍しいことだが演奏に集中していないのである。)同じ12月24日のセッションでも、もっとはるかに素晴らしい演奏は、"Miles Davis And The Modern Jazz Giants" に収録されている。
実は、本アルバムはソニー・ロリンズを加えた (3)〜(7) が聴きどころなのである。ロリンズは (3) "Airegin"、(4) "Oleo"、(6) "Doxy" と3曲も新曲を用意してきている。いずれも、のちにジャズ・スタンダードとして多くのミュージシャンに取り上げられるようになる名曲であり、マイルスもグループのレパートリーに加えている。もちろん、マイルスとロリンズのソロもノリノリで素晴らしい。
僕は特に "Oleo" という曲が大好きなのだ。全員が一斉に揃うことのない、引き算ばかりで構成されたようなアレンジである。B メロで入るピアノの合いの手も良いし、ベースもドラムも抜群にスイングしている。