Miles Davis / Walin'

WALKIN'

WALKIN'

 1954年までのマイルス・デイヴィスを大きく一括りにすると、本アルバムはこの時期を代表する名盤ということになるだろう。全5曲、全部名演奏である。
 二つのセッションからの演奏が収録され、4月29日のセクステット演奏がアルバム前半に、同3日のクインテット演奏((4) のみカルテット)が後半におさめられている。
 やたらと元気な (1), (2) も良いのだが、ちょっと陰のある (3)〜(5) が僕は好きだ。特に、マイルス作曲の (3) "Solar" が素晴らしい。ちなみに、この曲の冒頭部分の楽譜はマイルスの墓碑に刻まれている。(Wikipedia 参照。)
 なお、デイヴ・シルドクラウトという謎のアルト・サックス奏者について、昔、僕は誰か有名なミュージシャンが変名で参加しているのではないかと書いたことがあるのだが、のちにリーダー・アルバムを1枚だけ発表したため、実在のミュージシャンであることが判明した。