Miles Davis / Blue Haze

Blue Haze

Blue Haze

 1953〜54年に行われた3つのセッションから集められたオムニバス盤。曲順がセッションごとにまとめられていないのだが、それぞれ個性的なドラマーが参加しているのが聴きどころになっている。メンバーは上記のとおり、(1) 以外はワン・ホーン・カルテット。また、(4) ではジョン・ルイスに代わり、チャールズ・ミンガスがピアノを弾いている。
 (1) は "Walkin'" セッションのときの録音だが、同アルバムの10インチ盤に収録されず、本作に収められた。マイルスのミュート・トランペット、ケニー・クラークのスネア・ブラシが魅力的な名演奏である。曲はスタンダード・ナンバーだけれども、原曲のイメージを覆すようなアレンジが見事だ。
 54年3月のセッションは、ブルー・ノート盤 "Miles Davis Vol.1" の後半部分の録音の4日後に、まったく同じメンバーで行われている。ブルー・ノート盤よりややおとなしい印象だが、この時期この顔触れの演奏が悪いわけがない。
 53年5月のセッションは、ミンガス参加の (4) はわけがわからないけれども、ほかはリラックスした雰囲気の演奏で、好感がもてる。