Herbie Hancock / Gershwin's World

Gershwin's World (Hybr) (Ms)

Gershwin's World (Hybr) (Ms)

  • 1998年3〜4月、ニューヨーク録音。1998年6月、ロサンゼルス録音。
  • Herbie Hancock (p, organ), Chick Corea (p), Eddie Henderson (tp), Kenny Garrett (as), Wayne Shorter, James Carter (ts, ss), Ira Coleman, Alex Al, Ron Carter (b), Bakithi Kumalo (el-b, g), Marlon Graves (g), Terri Lyne Carrington (ds), Joni Mitchell (vo), Stevie Wonder (vo, harmonica), Kathleen Battle (soprano), Cyro Baptista, Bireyma Guye, Cheik Mbaye, Massamba Diop, Madou Dembelle (perc), Charles Curtis (cello), Robert Sadin (perc programming), Orpheus Chamber Orchestra
  • アメリカの作曲家、ジョージ・ガーシュウィン(1898-1937)の生誕100年を記念して製作されたオムニバス形式のアルバム。プロデューサーはハービーとロバート・セイディン。豪華なゲスト・ミュージシャンとの共演が話題になった。
  • 全14曲入り(日本盤は15曲)。(5), (7), (9) はスタンダード・ナンバー。(13) はフランスの作曲家、モーリス・ラヴェルのピアノ協奏曲(クラシック曲)。その他はガーシュウィン作曲。演奏者は曲によって異なる。
  • アフリカン・パーカッションが入っていたり、クラシックのオーケストラ曲があったり、なんだか製作意図がよくわからないアルバムである。タイトルに反してガーシュウィン以外の作品が4曲も入っている。ガーシュウィンの曲にしても、有名曲を現代風にアレンジしました、といった雰囲気ではなく、なぜこの曲を取り上げたのかがわからない演奏が多い。結果的に散漫な印象を残す作品になってしまったようだ。
  • それでも優れた演奏がいくつかある。スタンダード・ナンバーの (5) はスティーヴィー・ワンダーがヴォーカルとハーモニカで参加。かっこいいアコースティックなファンクをやっている。ドラムのテリ・リン・キャリントンのブラシも良い。
  • (7) はハービーとチック・コリアによるピアノ・デュオ。原曲はジェームス・P・ジョンソンのピアノ曲である。チックとのピアノ・デュオは久しぶりだが、コンパクトに3分半にまとめられていて秀逸。
  • デューク・エリントン作曲の (9) はウェイン・ショーターのテナーをフィーチャーしたカルテット演奏。アップテンポでハードな演奏である。キャリントンのドラムも物凄い迫力だ。
  • 以上がガーシュウィン以外の曲。一方、ガーシュウィンの曲では、ジョニ・ミッチェルのヴォーカルをフィーチャーした (3) と (10) が素晴らしい。
  • 逆にそれ以外の曲はつまらない。ハービーのソロ・ピアノ (14) は盛り上がらず。ロン・カーターとのデュオ (15) はベースのピッチが悪く、聴くに堪えない。