Ron Carter / Third Plane

Third Plane

Third Plane

  • 1977年7月13日録音。
  • Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)
  • "The Herbie Hancock Trio" と同日、同メンバーによってレコーディングされたピアノ・トリオ・アルバム。ジャケットもラベルも3人の名前が連記されていて「ロン・カーター名義」とは書かれていないのだが、ロンがプロデュースしているし、彼が所属する Milestone レーベルから発売されたアルバムである。
  • 全6曲入り。(1), (2), (5) はロン・カーター作曲。(3) はトニー・ウィリアムス作曲。(4) はスタンダード・ナンバー。(6) はハービー・ハンコックの旧作。
  • 70年代のロン・カーターは、アコースティック・ベースにピックアップをつないでブーストしたサウンドが特徴である。巨大なコンサート・ホールでのライヴ演奏に適した音なのだろうけど、スタジオ録音でこのブヨブヨした音が続くとげんなりする。本アルバムもまた例にもれずブヨブヨしていて、ソロは長いし、ベースが目立つミキシングになっている。
  • それはともかく、本作の魅力はロン・カーターの曲の良さにつきる。彼の作曲者としての才能を再発見する思いである。(本アルバム収録曲のうち4曲が The V.S.O.P. Quintet のライヴで再演されている。)
  • ハービーのピアノについては、ソロ・パートは少なくて、どちらかというとオブリガートや伴奏パートが多い。
  • (6) "Donphin Dance" はアルバム『処女航海』(1965年)収録曲の再演だが、原曲と大きな違いはない。この曲、76年にビル・エヴァンス・トリオがカヴァー(アルバム "I Will Say Gooebye" 収録)していて、エヴァンス版のほうがはるかに優れているので、作曲者ハービーとしてはピアノ・トリオで演奏するのは不利である。これはもう実力の差であって、仕方のないところだろう。
  • 全体におとなしい印象のアルバムだと思う。