Herbie Hancock / The Herbie Hancock Trio

ハービー・ハンコック・トリオ'77

ハービー・ハンコック・トリオ'77

  • 1977年7月13日録音。
  • Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)
  • ハービー・ハンコックは77年7月、アルバム4枚分の録音を行い、次々に発表した。その第1弾が本アルバム(デヴィッド・ルービンソン・プロデュース)である。また、本作と同日、同メンバーによるアルバム "Third Plane" (ロン・カーター・プロデュース)が録音され、Milestone レーベルから発売されている。
  • 全5曲入り。(1), (3), (4) が新曲。(2) は旧作の新録音。(5) はマイルス・デイヴィス作曲。ハービーのピアノ・トリオ作品は本作が初めてである。
  • (1) は4ビートのファンク・ナンバー。こういう曲は珍しいのではないか。旧来のピアノ・トリオのイメージを覆す思い切った演奏である。曲調が途中でどんどん変わり、12分の演奏を一気に聞かせる。
  • (2) は名曲 "Speak Like A Child" の再演。曲の美しさに助けられているが、アレンジに新しさが感じられない。13分という演奏時間は長すぎ(半分くらいにまとめてほしかった)。
  • (5) はマイルスの名曲 "Milestones"。ハービー、ロン、トニーの3人にとっては60年代にマイルス・グループでさんざんやっていた曲の再演というわけだが、これがすごい演奏なのだ。とにかくテンポが速い。さらにトニーがガンガン煽る。ハービーも負けずに受けて立つ。6分40秒があっという間に終わってしまう名演奏である。
  • 全体にピアノの音が軽く、ドラムは高音が鼻づまりしたような音質なので、今後のリマスターに期待したい。
  • 同時期に、ハンク・ジョーンズ (p), ロン、トニーの3人は 《グレート・ジャズ・トリオ》 を結成し、何枚かアルバムを発表している。ハンコック・トリオと比較すると、演奏内容は甲乙つけがたいが、音質に関しては 《グレート・ジャズ・トリオ》 のほうが格段に上である。