Herbie Hancock / Dedication

デディケイション

デディケイション

  • 1974年7月29日録音。
  • Herbie Hancock (Acoustic Piano, Fender Rhodes Electric Piano, ARP Pro Soloist, ARP Odyssey, ARP Keyboard Model 3604, ARP 2600, ARP PE-IV String Ensemble, Hohner Clavinet D6, Maestro Echocplex, ShureReverberation Mixer)
  • ハービー・ハンコックはソロ・アルバムを2枚しか発表していなくて、2枚とも日本で録音・制作された企画盤である。彼は他のミュージシャンと共演しているときに最大の力を発揮するアーティストであり、無伴奏、単独でのピアノ&キーボード演奏は(決して悪いとは思わないのだが)得意ではないようだ。
  • 本アルバムは、ハービーが CBS ソニーに吹き込んだソロ第1作。来日時に東京厚生年金ホールで、観客を入れずに録音した作品である。当初、日本国内のみ発売され、何度か CD 化されたが、海外では CD-BOX セット以外、単独での CD は発売されていないようだ。
  • (1) と (2) はアコースティック・ピアノのソロ演奏。いずれもアルバム『処女航海』(1965年)に収録された曲の再演だ。ハービーのピアノは美しく抒情的だが、演奏は単調で盛り上がりに欠ける。一方、音質が非常に良くて、アナログ録音とは思えないクオリティだと思う。
  • (3) はシンセサイザーのシークエンス・サウンドに合わせたエレピの即興演奏。曲名の "Nobu" は日本人の友人(創価学会の人らしい)の名前とのこと。
  • (4) はシンセのベース・パートとエレピその他の多重録音。今でいうサラウンド風のミキシングが行われていて、エレピの音が左右のスピーカーの(中間ではなく)外側から聞こえるという不思議な作りになっている。演奏はバンドのときに比べたら地味なものだが、当時はシンセサイザーを使った演奏自体がまだ珍しく、電子楽器がたくさん並んでいるだけでありがたかったのだと思う。