Herbie Hancock / Fat Albert Rotunda

  • 1969年5〜6月録音。
  • Herbie Hancock (p, el-p), Joe Henderson (ts, a-fl), Johnny Coles (tp, flh), Garnett Brown (tb), Buster Williams (b, el-b), Albert "Tootie" Heath (ds), etc.
  • ハービーのワーナー・ブラザーズ移籍第1作。"The Prisoner" より少し前の録音であり、クレジットされている参加ミュージシャンも全く同じである。録音にはこのほか金管楽器数名とリズム・ギターが加わっている。また、ハービー自身がプロデュースした初めての作品である。
  • 子供向けテレビ番組のために作られた音楽らしいのだが、詳細不明。"The Prisoner" と同じメンバーなのだが、やっている音楽はまったく違う。8ビートのリズム&ブルースもしくはジャズ・ロックばかりなのだ。ハービーは大半の曲でエレクトリック・ピアノを演奏し、バスター・ウィリアムスもエレクトリック・ベースを弾いている曲が多い。
  • 全7曲入り。ポップで明るい、商業的でわかりやすい、当時の流行音楽そのものである。
  • ハービーのエレピは、まだ音も演奏も貧弱である。彼は数年後にはものすごいキーボード・プレイヤーへと成長するのだが、本アルバムにおける演奏は習作レベルにすぎない。
  • バスター・ウィリアムスのエレクトリック・ベースはもっとひどい。指で弾いているのだが、リズムも音量も不安定なのだ。彼は中堅どころの実力派ベーシストだが、エレベに関しては録音当日に初めて楽器に触れたのではないかと思うほど下手くそである。
  • 曲の中では、3拍子のバラード曲 (5) が圧倒的に美しく、印象に残る。
  • 他の曲は、今聴けば 《レトロ》 という意味での新鮮さはあるかもしれないが、音楽的には優れているとはいえないと思う。