Herbie Hancock / The Prisoner

The Prisoner (Rudy Van Gelder Edition)

The Prisoner (Rudy Van Gelder Edition)

  • 1969年8月18, 21, 23日録音。
  • Herbie Hancock (p, el-p), Johnny Coles (flh), Garnett Brown (tb), Joe Henderson (ts, a-fl), Buster Williams (b), Albert "Tootie" Heath (ds), Tony Studd (b-tb), Jack Jeffers (b-tb), Hubert Laws (fl), Jerome Richardson (b-cl, fl), Romeo Penque (b-cl)
  • ハービーのブルーノート、ラスト第7作。前作 "Speak Like A Child" からメンバーを総入替え。曲によって演奏者の異動があるが、4〜5人の管楽器を加えた編成になっており、彼らのソロも多めに入っている。
  • 1968年4月4日に起こったマーティン・ルーサー・キング牧師暗殺事件のことをテーマにしたコンセプト・アルバムであり、曲名や激しい演奏内容にそれが表れているが、それにしてはやけにチープなジャケットである。
  • 全5曲入り。CD には別テイク2曲が追加されている。
  • シリアスなテーマ、過激な演奏で、非常に重苦しい雰囲気のアルバムである。ところが、曲によってミキシングが違っていたりして、全体の印象は散漫になってしまっている。また、管楽器が派手すぎて、ハービーのピアノは目立たない。
  • (1) は "Speak Like A Child" をマイナーにしたような8ビート曲。管楽器のリヴァーブが強すぎて変な音だ。
  • (2) は前半にエレクトリック・ピアノが初めて使用されているが、ほんの飾り程度。テーマに続く短いドラム・ソロがすごい。その後、いきなりアップ・テンポに変わって、ジョー・ヘンダーソンが登場する流れもかっこいい。
  • (6) は (2) の別テイク。テナー・ソロが始まるあたりからのテンポがさらに速くて、物凄い迫力になっている。ここでのテナーとドラムはぶっ飛んでいる。
  • 別テイクの (6) と (7) のほうが、演奏内容、音質ともに優れている珍品といえるかもしれない。(アルバム自体としては駄作といってよいと思う。)