Grachan Moncur III / Some Other Stuff

Some Others Stuff

Some Others Stuff

  • 1964年7月6日録音。
  • Grachan Moncur III (tb), Wayne Shorter (ts), Herbie Hancock (p), Cecil McBee (b), Tony Williams (ds)
  • グレイシャン・モンカー3世(1937〜)って誰だっけ? と思ったら、ハービーの "My Point Of View" (1963年)の録音に参加して、ちゃんとソロを吹いているトロンボーン奏者である。あと、ウェイン・ショーターの "The All Seeing Eye" (1965年)にもモンカーは参加している。
  • 本アルバムはモンカーのリーダー第2作。やたらと豪華なメンバーが揃っているが、当時は全員若手新人だ。
  • 全4曲入り。すべてモンカー作曲のオリジナルである。前衛的な曲が多く、アルバム全体の印象は暗い。
  • (1) はドロドロした雰囲気のフリー・ジャズ曲。フリーといっても決して目茶目茶な演奏ではなく、きっちりアレンジされている。セシル・マクビーのベースがすごい。トニー・ウィリアムスは大人しめ。ハービーのなんちゃって前衛ピアノは、やっぱりダメだと思う。
  • (2) は3/4拍子の不思議な曲。ウェイン・ショーターのソロが素晴らしく、彼のアルバムに入っていてもおかしくない出来栄えである。
  • (3) はモンカーのソロが良い。フリー・ジャズのミュージシャンは攻撃的な音を出す人が多いのだが、モンカーのトロンボーンは音がやわらかいのである。後半、ショーターのソロになるあたりから、テンポが急に速くなったり遅くなったりするのだが、ベースとドラムは瞬時に反応するのに、ピアノがもたつく。
  • (4) はトニー・ウィリアムスのドラム・ソロを中心にした曲。トニーの名盤 "Spring" (1965年)に通じる演奏である。