Wayne Shorter Quartet / Beyond The Sound Barrier

Beyond the Sound Barrier

Beyond the Sound Barrier

  • 2002年11月〜2004年4月、ライヴ録音。(2005年発売。)
  • Wayne Shorter (ts, ss), Danilo Perez (p), John Patitucci (b), Brian Blade (ds)
  • "Footprints Live!" と同じメンバーのカルテットによる、ヨーロッパ、北米、アジアにおけるライヴ録音を収録したアルバム。過去の自作曲中心だった "Footprints Live!" と違い、新曲中心の構成になっている。とはいっても、全ての曲が新しい解釈で「デ・コンポージング」されているので、どれも新しく聞こえるのだけれど。
  • 全8曲入り。(1) はスタンダード・ナンバー。(3) はクラシック音楽のカヴァー。(4) は Wayne Shorter Quartet 名義になっているが、サックスが登場しない。ほかはショーター作曲。
  • (1) "Smilin' Through" は古いミュージカル・ナンバー。12分近い演奏のうち、前半のドロドロした部分で、テナーがゆっくりと原曲のメロディを吹いていく。後半は一転、力強いドラムの音とともに16ビートの演奏が繰り広げられる。
  • (3) はメンデルスゾーン作曲の歌曲「歌の翼に」のカヴァー。ピアノとベースが不思議なリズムを刻むあいだ、テナーが原曲のメロディを、ピアニッシモでやや途切れがちに吹く。
  • (4) はピアノ、ベース、タンバリンのトリオによる短い即興曲
  • (5) と (6) はアルバム "Joy Ryder" からの選曲。フュージョンの原曲を(生楽器なのに)はるかにヘヴィーにぶち壊していく。本アルバムのクライマックスである。
  • ペレスのピアノは以前のようなラテン風のフレーズがなくなり、現代音楽かフリー・ジャズに近くなっているようだ。ブレイド、パティトゥッチとの息もぴったりである。
  • 同一メンバーでのライヴ盤は今までに3枚出ているのだが、4人の音のまとまり、メンバー相互のレスポンスの良さといった点では、本アルバムが一番だと思う。