イエス/ハウス・オヴ・イエス


  • 2000年発表の2枚組ライヴ・アルバム。原題 "House of Yes: Live From House of Blues"。
  • 1999年10月31日、ラスヴェガスライヴハウス「ハウス・オブ・ブルース」での演奏を収録した CD/DVD 作品である。
  • メンバーは、前作に続いてジョン・アンダーソン(vo)、スティーヴ・ハウ(g)、ビリー・シャーウッド(g)、イゴール・コロシェフ(key)、クリス・スクワイア(b)、アラン・ホワイト(ds)。
  • 『ハウス・オブ・イエス』は、イエスのライヴ盤の中では間違いなく最高傑作である。1973年の『イエスソングス』ももちろん名盤だが、あちらはいろんなコンサートの演奏の寄せ集めであった。一方、本作は1回のライヴの模様を完全に収録していること、過去の名曲の再現にとどまらず、ロックバンドのノリによって成功を納めていることなどから、かつての名盤を完全にしのいでいる。
  • 全15曲中、5曲が当時の最新アルバム『ラダー』からピックアップされていて、特に素晴らしい。
  • 上の動画はアンコール曲 "Cinema" と "Owner Of A Lonely Heart" のメドレー。"Cinema" はビリー・シャーウッドがリード・ギターを弾く(トレヴァー・ラビンのコピーだが)短いインストゥルメンタル曲。続く "Owner..." は定番のヒット曲だが、後半キーが変わってからの展開が異常である。6:30からのスティーヴ・ハウのギターはクレイジーだ。大げさな言い方だが、長いことロックを聴いてきて本当に良かったと思う、そんな音楽の絶頂の瞬間である。
  • しかし、バンドの絶頂期は長くは続かない。2000年3月まで続いたツアーの後、ビリー・シャーウッドが脱退。また、イゴール・コロシェフは解雇されてしまう。(コロシェフについてはセクハラ事件を起こしたためという噂があるが、詳細は不明。)
  • 余談だが、イエスというバンドは華やかなロック界において、潔癖といえるほどスキャンダルを嫌っている。ドラッグはもちろん、酒、犯罪、不倫などの問題が(全くないわけではないのだろうが)表沙汰にならないし、メンバーの離婚すら滅多に公表されないのだ。コロシェフの解雇にしても、音楽制作やバンド運営とは無関係の問題だと思うのだが、ジョン・アンダーソンやクリス・スクワイアにとっては許容できなかったのだろう。


House Of Yes: Live From House Of Blues

House Of Yes: Live From House Of Blues