イエス/ラダー


  • 1999年発表。"The Ladder"。
  • 文句なしの名盤。少なくとも70年代後半以降のイエスにとって最高傑作である。プロデューサーは、ボン・ジョヴィエアロスミスを手掛けたブルース・フェアバーン。だが、本作のミックス・ダウンの直後に彼は急死。プロデューサーの死がなければ、イエスは商業的にも復活を遂げていたのだろうと思う。
  • メンバーは、ジョン・アンダーソン(vo)、スティーヴ・ハウ(g)、ビリー・シャーウッド(g)、イゴール・コロシェフ(key)、クリス・スクワイア(b)、アラン・ホワイト(ds)。
  • 前作 "Open Your Eyes" でキーボードを弾いていたビリー・シャーウッドはリズム・ギター(常にステレオの右チャンネルから聞こえるのがビリーのギターである)に変更。また、同作でサポート・メンバーだったイゴール・コロシェフが正式メンバーに昇格している。二人とも1965年生まれで、当時は30代前半。彼らの貢献により、ぐっと若返った感じがする。
  • 70年代風のプログレ大作主義、80年代のポップ、90年前後(ABWH時代)のトロピカル等、さまざまな時代の要素が詰まったようなサウンドである。加えて、イゴール・コロシェフのキーボードが、リック・ウェイクマンでは得られなかった分厚い音を出して、全体をがっちりと支えている。
  • また、過去の楽曲から多くのフレーズや歌詞が引用されている。一種のファン・サービスなのだろうけど、嫌味にならずユーモアたっぷりで明るい印象である。(英語版 Wikipedia には各種引用の元ネタが詳しく解説されている。)
  • 上の動画は、1曲目 "Homeworld (The Ladder)"。冒頭のゴオオオオというシンセの音からしびれてしまう。構成のしっかりした9分の大曲である。なお、アメリカでは同題の PC ゲームのエンディング・テーマとして使用されたらしい。


Ladder

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