イエス/マグニフィケイション


  • 2001年発表。"Magnification"。
  • メンバーは、ジョン・アンダーソン(vo, g)、スティーヴ・ハウ(g)、クリス・スクワイア(vo, b)、アラン・ホワイト(ds, p)。
  • キーボード奏者不在の4人のメンバーとオーケストラの共演盤。ビリー・シャーウッドとイゴール・コロシェフという若手二人の脱退後に制作されたアルバムだが、先にレコーディングのスケジュールを組んだままメンバーの補充が出来ずに録音してしまったのではないかと思う。(メンバー欠員のままレコーディングに突入するのは『究極』など何度か前例がある。)なお、本作発表後のツアーでは、サポート・メンバーにキーボード奏者を加えている。
  • オーケストラとの共演アルバムは、1970年の『時間と言葉』以来だが、今回は本格的。ラリー・グルーペというアレンジャーがガチで取り組んでいて、少なくとも本作においてはオーケストラなしでは考えられないような大胆な作品を創り出している。
  • ロック・バンドとオーケストラの共演は、ディープ・パープルやエマーソン・レイク&パーマーなど先例が多いのだが、本作はどちらかというとジョージ・マーティンが手掛けたビートルズポール・マッカートニーウィングスに近いイメージのものだと思う。
  • 上の動画は、アルバム2曲目 "Spirit Of Survival"。(冒頭で1曲目のエンディングの音が重なっている。)ポール・マッカートニーウィングスの "Live And Let Die" を思わせる重厚なオーケストラが、これまた重厚なバンドの音と響きあうハードなロック・ナンバーだ。
  • "Can You Imagine" はクリス・スクワイアがリード・ヴォーカルを歌う佳曲。また、10分を超える大作 "In The Presence Of" ではアラン・ホワイトがピアノを聴かせている。ほかにも聴きどころはあるのだが、前作『ラダー』に比べると、地味な曲ばかりで見劣りがするのが難点か。


Magnification

Magnification

  • 下は、オーケストラとの共演演奏を収録した2001年録音のライヴ盤(未聴)。YouTube で何曲か試聴してみたが、70年代のプログレ曲は重たいばかりで退屈だった。

Symphonic Live

Symphonic Live