23年ぶりの谷中霊園


 上の写真は昭和62年1月に撮影したものである。昭和初期の写真だと言われても信じるひとが多いかもしれない、それくらい古びた風情の写真だが、当時、一眼レフにモノクロ・フィルムを入れて出かけたときに撮影したのだ。
 場所は谷中霊園の付近。何屋さんというのかよくわからないのだが、手桶が並んでいるところをみると、墓参り用の花や用具を扱っている店のようだ。
 あのときの桶の店、今でもあるんだろうか? ふと思い立って、谷中に出かけてきた。23年ぶりの写真が以下のものである。

 建物も看板も手桶も、昔のままであった。この場所だけ、昭和のまま時が止まっているかのようである。
 変わったのは撮影機材のほうだ。今はデジカメの時代であり、すべてカラーなのである。元の画像は以下のもの。

 白い百合の花が映える画像だけれども、こういう写真は白黒のほうが良いなあと思う。白黒専用のカメラがあればいいのに。


 (つづく)