山本祐ノ介チェロ・リサイタル@日本大学カザルスホール


http://sankei.jp.msn.com/entertainments/music/100318/msc1003182346002-n1.htm
 駿河台のカザルスホールが今月一杯で閉鎖されるというので、コンサートに行ってきた。
 実はカザルスホールの中に入ったのは初めてである。室内楽専用の小ホールと聞いていたが、客席数のわりに広く感じられ、ステージも幅・奥行きともに十分な広さがある。客席の床からステージまでの高さは60センチくらい。演奏者がすぐ近くである。
 本日のプログラムは以下のとおり。

 バッハはパブロ・カザルスの CD を持っているのに、第2番ってどんな曲だっけ? と思うほど地味な曲。上記産経新聞記事によると、山本氏の個人的な思い入れのある曲らしいのだが、演奏の善し悪しとは関係なくちょっと退屈してしまう。
 続いて、ピアニスト小山京子氏(山本氏の奥様)が登場、ベートーヴェンが始まると会場の雰囲気ががらりと変わる。明るく力強い演奏で素晴らしい。特に第2楽章の美しい旋律にうっとりする。スタインウェイのピアノの音もよく響いている。
 休憩をはさんで後半はブラームスソナタ。チェロの弓の毛が何度も切れるほど力のこもった演奏。生で聴くブラームスは良いなあと思う。ホールの音響もすごいと思った。
 アンコール1曲目は知らない曲。当日行かれた方でご存じの方がいらっしゃいましたら、教えてください。
 続く2曲目は、山本正美(祐ノ介氏のお母様)作曲 「ねむの木の子守歌」。

 こういう曲をチェロで弾かれると、何だかこみあげてくるものがある。


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 客席に山下洋輔氏の姿があった。彼はこのリサイタルのチラシに紹介文を書いていて、山本氏のサイトにもそれが掲載されているのだが、どうやら奥様のほうのご親戚であるらしい。
 室内楽のコンサートはチケットの安いのが魅力である。日本の演奏家なら高くても5千円くらいだろうか。(ムターが4月に来日するのだが、ブラームスのヴァイオリン・ソナタで1万4千円は高すぎだと思う。)本日の演奏内容で3千5百円は実にお手頃価格である。こういうの、ときどき行ってみようかなあと思う。
 チェロとピアノの夕べを十分に堪能し、僕は素敵な気分で会場を後にした。