バックハウス/ブラームス 『ピアノ協奏曲第2番』
ある時記者が、バックハウスに余暇の過ごし方や趣味について尋ねた時には、「暇な時はピアノを弾いていますが」と答えたという。
ヴィルヘルム・バックハウス(1884-1969)というピアニストを知ったのは、池田理代子のマンガ 『オルフェウスの窓』 だった。(確かベートーベンの 『皇帝』 を演奏する場面があったような気がする。)その後、レコードで何枚か彼のピアノを聴いたが、かなり堅苦しくて、なんとなく疲れてしまうようなイメージがあって、正直、僕は長い間、バックハウスを避けていた。
だが、カール・ベーム指揮のウィーン・フィルと共演したブラームスは素晴らしかった。
第1楽章は、ホルンとピアノの対話から始まる。木管楽器の応答に続いて、弦楽器が響く。この穏やかな冒頭部分を、これほど丁寧に、心を籠めている演奏を、僕はほかに知らない。そして、もちろんウィーン・フィルの弦は狂おしいほどに美しい。
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番/モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番
- アーティスト: バックハウス(ヴィルヘルム),ブラームス,モーツァルト,ベーム(カール),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,ブラベック(エマヌエル)
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2008/05/28
- メディア: CD
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