馬場孤蝶 『明治文壇の人々』

 本ブログでさんざん取り上げてきた馬場孤蝶(1869-1940)の著書、『明治文壇の人々』 が文庫本で復刊されたので、早速購入した。

 本書は昭和十七年、三田文学出版部から発刊された。明治の文壇とその雰囲気を回顧した文章や講演筆記をまとめたもので、三、四十年前の明治をリアルタイムで見てきた人ならではの臨場感に満ちている。鷗外、漱石、透谷、藤村、上田敏、山田美妙、川上眉山、その中でもとくに、明治二十九年に二十四歳で逝った樋口一葉、明治三十七年に三十七歳でなくなった斎藤緑雨について思いが深い。


 森まゆみ 「優美高潔の人」 (『明治文壇の人々』 ウェッジ文庫巻末解説より)

 写真が多数収録されている。装丁も洒落ている。活字は大きめで読みやすい。本文は新字旧仮名である。新潮文庫みたいなヒモがついている。ゆっくりと味わいながら読みたい本である。

文庫本 ウェッジの書籍
 ウェッジ文庫のラインアップは素敵すぎる。

明治文壇の人々 (ウェッジ文庫)

明治文壇の人々 (ウェッジ文庫)