John Coltrane / Plays It Cool (Live At The Konserthausen, Stockholm)

Plays It Cool (Live At The Konserthausen, Stockholm)

Plays It Cool (Live At The Konserthausen, Stockholm)

  • 1961年11月23日、ストックホルムでのライヴ録音。
  • John Coltrane (ts, ss), Eric Dolphy (as, fl, b-cl), McCoy Tyner (p), Reggie Workman (b), Elvin Jones (ds)
  • 伝説となった 《ヴィレッジ・ヴァンガード》 ライヴの直後に行われた欧州ツアーのうち、ストックホルム公演を録音したブートレッグ。音質は B ランク。
  • ヴィレッジ・ヴァンガード》 ライヴがメンバーを入れ替えながらの大人数のセッションであったのに対し、欧州ツアーのメンバーは5人。また、前者では新曲(未発表曲)ばかり演奏する実験的な取り組みであったのに対し、後者では "Blue Train"、"My Favorite Things" などこのグループの得意のレパートリー中心の曲構成になっている。
  • 演奏のうち特筆すべきは、やはりエリック・ドルフィーの活躍が目立つ点だろう。僕も大好きなミュージシャンだし、彼が天才肌のマルチ管楽器奏者だということは言うまでもないと思う。だが、本アルバムのような長尺曲で、順番にソロを回していく演奏形式の中では、ドルフィーのぶっ飛んだソロ・フレーズも逆にワン・パターンに聞こえてしまうのである。
  • 思えば、エリック・ドルフィー(1928〜1964)が存命中に発表した数枚のリーダー・アルバムは、いずれも異なるコンセプト、異なるフォーマットによって製作、演奏された作品ばかりであった。奔放に長時間吹きまくるコルトレーンとは、全く方向性の違うミュージシャンなのである。ドルフィー入りのコルトレーンクインテットのライヴ盤は作品数が少ないため貴重視されているが、必ずしも名演奏になり得ていない気がする。

John Coltrane / Coltrane Live At The Village Vanguard

Live at the Village Vanguard (Reis) (Rstr)

Live at the Village Vanguard (Reis) (Rstr)

  • (1) …… John Coltrane (ts), Eric Dolphy (b-cl), McCoy Tyner (p), Reggie Workman (b), Elvin Jones (ds) (1961年11月3日録音)
  • (2) …… John Coltrane (ts), McCoy Tyner (p), Reggie Workman (b), Elvin Jones (ds) (1961年11月2日録音)
  • (3) …… John Coltrane (ts), Jimmy Garrison (b), Elvin Jones (ds) (1961年11月2日録音)
  • やや大味な 『アフリカ・ブラス・セッション』 に続いて、コルトレーンは1961年11月1日、2日、3日、5日の合計4日間にわたり、ニューヨークのジャズ・クラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードで初のライヴ・レコーディングを行う。本アルバムはその中で最初にレコード化された作品である。
  • 60年代のコルトレーンの演奏は、50年代のリラックスしたものとは異なり、極めてシリアスでアグレッシヴなサウンドを作り上げているため、BGM には適さないが、決して難解なものではなく、集中してジャズを楽しもうとするなら最高の音楽だと思う。
  • (1) はエリック・ドルフィーを加えたクインテットによる演奏。ヴィレッジ・ヴァンガード公演ではドルフィー(b-cl)の評価が高いのだが、ここでは添え物扱いに留まっている。
  • (2) は有名なスタンダード・ナンバー。前半のオーソドックスなピアノ・トリオ演奏と、後半に乱入してくる火の玉のようなコルトレーンのソプラノ・サックスの対比は聴き応え十分。
  • (3) はピアノ抜きのトリオ演奏。16分間の長い曲だが、最初から最後まで熱いテナー・ソロを堪能することが出来る。

John coltrane / Impressions

Impressions (Dig)

Impressions (Dig)

John Coltrane / The Complete 1961 Village Vanguard Recordings

The Complete 1961 Village Vanguard Recordings

The Complete 1961 Village Vanguard Recordings

  • 1961年11月1・2・3・5日録音。(1997年発売。)
  • John Coltrane (ts, ss), Eric Colphy (as, b-cl), McCoy Tyner (p), Reggie Workman (b), Jimmy Garrison (b), Elvin Jones (ds), Roy Haynes (ds), Ahmed Abdul-Malik (tampura), Garvin Bushell (oboe, contrabasson)
  • 1961年11月のヴィレッジ・ヴァンガードにおけるライヴ録音のうち、コルトレーンの生前に発表されたのは、"Live At Village Vanguard" と "Impressions" のみであった。彼の死後、未発表音源が続々とレコード・CD 化され、1997年の本アルバム発売によってようやく全ての演奏が発表されたのである。
  • 4枚組 CD BOX、全22曲、4時間半という超大作であり、演奏内容もハードなので、全部を一気に聴くのは困難、というよりそんな必要はまったくないのだけれど、Amazon の MP3 ストアでは値段も手頃だし、僕は iPod に入れておいて少しずつ聴くのを楽しみにしている。
  • さて、演奏内容は総勢9名の大所帯のグループによるものだが、日によって、あるいは曲目によってメンバーが交代し、基本的には3〜5人で演奏され、他のメンバーは音を厚くするためのサポート扱いとなっている。
  • ただし、エリック・ドルフィーだけは既発表のアルバム収録のテイクに比べて出番が非常に多く、エキセントリックなプレイはときにコルトレーンを凌ぐほどの勢いだ。
  • "India" にはAhmed Abdul-Malik という1950年代にセロニアス・モンク・カルテットに参加していたベーシストの名前がクレジットされている。彼が演奏している楽器は、CD にはウード(oud、中近東の弦楽器で形も音もギターに似ている)と書かれているが、聴いてみたらタンプーラ(tampura、ビヨーンと低い音がするインドの弦楽器)であった。
  • 既発表のアルバムとダブっているのだが、音質が非常に良くなっていて、特にドラムとベースの音の迫力は素晴らしい。それに聞き終わったあとの感じ方がだいぶ違うので、両方とも聴いておきたいと思うのである。