Thelonious Monk / Paris 1969

Paris 1969

Paris 1969

  • 1969年12月15日録音。
  • Thelonious Monk (p), Charlie Rouse (ts), Nate Hygelund (b), Paris Wright, Philly Joe Jones (ds)

 1969年、パリ、サル・プレイエルにおけるライヴ録音。2013年にブルーノート・レーベルから発表された久しぶりの《公式盤》である。テレビ放送用映像を元にした CD + DVD セットと CD のみの両方が出ているが、一部の曲が編集されているため、映像がないとあまり面白くないかもしれない。
 CD は全12曲入り。DVD はインタビュー映像がついている。
 旧カルテットは解散。メンバーはチャーリー・ラウズ以外は若手の新人を起用している。Nate Hygelund (なんと読むんだろう?)は経歴不詳の白人ベーシスト。Paris Wright は当時17歳だったという黒人ドラマーである。また、当時、フランス在住だったフィリー・ジョー・ジョーンズがゲスト参加。(11) と (12) でドラムを叩いている。*1
 当時、モンクはすでに隠退状態だったといわれているけれども、本ライヴではとにかくモンク本人が絶好調なのだ。(1) "I Mean You" の冒頭テーマの終わりのところ、ブレイクをキメてからラウズのソロになだれこむところなど最高である。もちろん、ラウズもかっこいい。こんなにすごいライヴは、61年のヨーロッパ・ツアー以来ではないだろうか。
 それから、フィリー・ジョーが加わった "Nutty" はテンポ速すぎで、さらに途中から走り出し、最後はとんでもない速さになってしまう。ライヴならではの、破綻した楽しさが、そこにはあるのだ、ということを感じさせられた。

*1:DVD は曲順が違っていて、フィリー・ジョー参加の2曲は (5) と (6) である。