Thelonious Monk Quartet Plus Two / At The Blackhawk

At the Blackhawk

At the Blackhawk

  • 1960年4月29日録音。
  • Thelonious Monk (p), Joe Gordon (tp), Charlie Rouse, Harold Land (ts), John Ore (b), Billy Higgins (ds)

 サン・フランシスコのジャズ・クラブ、ブラックホークにおけるライヴ録音盤。当時のレギュラー・カルテットのメンバーに、地元のミュージシャン2名を加えたセクステットによる演奏である。テナー奏者、チャーリー・ラウズが参加して3作目なのだが、当時まだカルテットのみの演奏はレコード化されず。これはプロデューサー、オリン・キープニューズの意向によるものだろうか。でも、まあわかる気がする。ラウズでは地味なのである。(彼のテナーが大活躍するのは、もう少し先のことだ。)
 地元のゲスト・ミュージシャンのうち、トランペットのジョー・ゴードンシェリー・マンのグループにいた人。元々、シェリー・マンがドラマーとして参加する予定だったらしい。一方、ハロルド・ランドは、50年代前半にクリフォード・ブラウンマックス・ローチクインテットで活躍したテナー奏者で、70年代にはビル・エヴァンスのアルバム "Quintessence" に参加したりしているから、それなりに名前を知られている人だが、いずれにせよ二人ともマイナーな存在である。
 オリジナル LP は全6曲入り。CD は全8曲入りで、(4) と (5) が追加曲。どちらも途中、観客の話し声がかなり入っていてうるさく感じる。なぜこんな録音状態のトラックを途中に挿入したのか、理解に苦しむ。ステレオ盤とモノラル盤が出ていて、ステレオ盤では右がラウズ、左がランド。
 ブラックホークという場所は非常に音響の良いクラブだったと言われているが、残響がまったくない乾いた音がする。(所々、音が歪んでいるのが残念。)マイルス・デイヴィスも同じ場所でライヴ録音を残しているが、似たような雰囲気である。
 演奏は全体にリラックスした雰囲気だが、やや締りに欠ける気もする。新加入のジョン・オア*1 のベースは低音がよく鳴って良い感じ。モンクのピアノに関しては可もなく不可もなし。

*1:ジョン・オアは1933年生まれ。2014年8月22日に死去した。