Thelonious Monk / Genius Of Modern Music

 セロニアス・モンク連続レビュー。

Genius of Modern Music

Genius of Modern Music

  • 1947, 1948, 1951, 1952年録音。(参加ミュージシャンは省略。)

 "Genius Of Modern Music" は、ピアニスト、作曲家セロニアス・モンク(1917〜1982)の初リーダー作。レコードおよび CD は "Genius Of Modern Music Vol.1"、"同 Vol.2"、"Milt Jackson" の3枚に分かれて発売されているが、上記 MP3 アルバムは曲目のダブりなしに一つのアルバムにまとめたものである。
 ブルー・ノート・レーベルのプロデューサー、アルフレッド・ライオンがプロデュースを手掛けており、同レーベルを代表する名盤となった。
 MP3 盤の前半 (1)〜(12) は "Vol.1" 収録曲。モンクの代表的な曲が並んでいて、最初期にしてすでに主要なレパートリーが出来上がっていたことに驚く。後半 (13)〜(24) は "Vol.2" 収録曲。こちらはいくつか有名曲もあるが、半分以上は馴染みが少ない(すなわち再演される機会がなかったことになる)曲で、逆に面白く聴ける面がある。
 演奏は3〜6人編成で、3分前後の短い曲ばかりのため、アドリブ・ソロはモンクのみであったり、メンバーのソロはごく短かったりする。録音年代が古く、かつては音質が非常に悪かったのだが、現在出ているリマスター盤はかなり音質が向上した。特にベースの音は画期的に良くなったと思う。ただし、アート・ブレイキーのドラムの音はうるさい。(13)〜(16) に参加しているマックス・ローチはうるさくないし、演奏もかっこいい。
 モンクの演奏スタイルやテクニックは、この頃すでに完成されていると思う。