Miles Davis / Star People

スター・ピープル

スター・ピープル

 1983年に発表されたスタジオ&ライヴ録音アルバム。日本では LP と同時期にコンパクト・ディスクが発売されたが、アメリカでは本アルバム単独での CD が現在に至るまで発売されていないようだ。
 全6曲入り。CD にはレコーディングの詳細が書かれていないのだが、Milesdavis.com によると (1) と (3) がライヴ録音、それ以外がスタジオ録音とのこと。ただし、ライヴのほうには拍手や歓声は聞こえず、まったく区別がつかない出来である。
 全体に低音域を強調した音作りになっており、ベースとドラムが非常に目立つ。また、前作から参加しているミノ・シネルは、70年代のパーカッション奏者にありがちな「効果音」「鳴り物」ではなく、グルーヴを出して演奏に貢献している。
 10分間の (2)、18分間の (4) はスロー・ブルース。どちらも極端に遅いテンポの曲だが、全員まったくリズムを崩さずに演奏を続けているのがすごい。この2曲がダレないのは、マーカス・ミラーの粘りのあるベースのおかげだろう。
 マイルスのトランペットは絶好調のように聞こえるが、以前のようなロング・トーンはほとんど出てこなくなった。やはり体調が影響しているのだろうか。