Miles Davis / The Complete On The Corner Sessions

Complete On the Corner Sessions

Complete On the Corner Sessions

  • 1972年6月1日〜1975年5月5日録音。

 マイルスが1972年から75年に残したスタジオ録音を集め、2007年に発売された6枚組 CD BX。全32曲、6時間47分という内容である。発売当時、未発表だった楽曲とリミックス、リマスター音源から構成されている。(参加メンバーは省略。)
 本 BOX のプロデューサー、ボブ・ベルデンのライナー・ノーツの日付が2000年。なぜ2007年まで発表されなかったのか不明だが、その間にオリジナル・アルバムのリマスター CD が続々と発売されており、全体の半分近くは目新しさのない音源になってしまった。
 オリジナル・アルバム収録済みの楽曲は、"On The Corner" から全4曲、"Big Fun" から1曲、"Get Up With It" から7曲あって、これだけで3時間以上ある。だが、残りの未発表曲や 《未編集》 と称するリミックス音源はいずれもレベルが高く、発表済みの曲と並べてもまったく遜色がない。
 大人数を集めて作った "On The Corner" は、オリジナル盤のプロデューサー、テオ・マセロによるタペストリーのようなミキシングの前と後を聴くことができる。また、その後の新メンバー編成によるバンド演奏は、未熟で荒削りな新バンドがどんどん成長していくのが強く感じられる。
 大音量で流しっぱなしにして聴きたいアルバムである。