Miles Davis / Cookin' With The Miles Davis Quintet

COOKIN-RUDY VAN GELDER RE

COOKIN-RUDY VAN GELDER RE

 1956年に行われた 《マラソン・セッション》 の中の1枚。アルバム4枚のうち一番最初、57年に発売されたが、すべて10月26日(2回目)のセッションから収録されている。
 全4曲入り。ただし、(4) は2つの曲が連続して演奏されているので、合計5曲収録されている。(2) と (4) の前半はマイルス作曲のオリジナル。ほかはスタンダード・ナンバー。
 (1) "My Funny Valentine" はスロー・バラードの名曲。演奏も 《マラソン・セッション》 の中で最高だと思う。マイルスのミュート・トランペットも良いし、レッド・ガーランドのピアノも素晴らしい。そして、ポール・チェンバースのベースがよく絡んで、演奏を動きのあるものにしているのだ。(コルトレーンは不参加。)
 (2) はピアノがテーマを弾くブルース曲。ジャム・セッション風のリラックスした演奏が楽しい。(3) はソニー・ロリンズ作曲のレパートリー(原曲は "Bag's Groove" 収録)の再演で、テーマ部分のアレンジが新しくなっているものの、出来は今ひとつ。(4) はアップ・テンポの前半(エンジン全開!)が終わってから、ミディアム・テンポの後半が突然始まる部分が楽しいのだが、そこから先が7分もあって長く感じる。アルバム全体としては、緊張感のある (1) を除いて、消化試合のレベルだと思う。