Miles Davis / Dig

Dig

Dig

ソニー・ロリンズジャッキー・マクリーン(二人とも当時20歳)を加えた3管6人編成の演奏。マクリーンはこれが初レコーディングとのこと。また、本作は初めて LP レコーディングが導入されており、1曲の演奏時間が5〜10分と十分にソロを聞かせる作りになっている。
全7曲入り。(1), (3), (4), (5) がマイルス作曲のオリジナル。ほかはスタンダード曲。CD に「ボーナストラック」と記載されているが、該当する (6) と (7) は1956年に12インチ LP レコードが発売されたときから収録されているらしいので、ボーナスとはいえないだろう。(本アルバムは初出時は10インチ盤だった。)
(1) の音質がとにかく悪く、リバーブかけすぎで銭湯の中で聴いているような感じになっている。3人のソロが一番しっかり聴ける曲なのに残念だ。他の曲の音質はまあまあ。ただし、ピアノは風邪をひいたような変な音である(ピアノ・ソロは少ないのだが)。
 演奏は、ミディアム・テンポの (2)、アップ・テンポの (6) が良い。(3) と (4) はエンディングで失敗していて、グダグダな終わり方である。
 全体としては及第点なのかもしれないが、感動はしない。マイルスにはほかに山ほど名盤があるのだから。