Herbie Hancock and Foday Musa Suso / Village Life

1984年8月7〜9日録音。
Herbie Hancock (key, drum machine), Foday Musa Suso (kora, vo, talking drum)
ハービー・ハンコックとガンビア出身のミュージシャン、フォーディ・ムサ・スソのデュオ・アルバム。"Sound-System" で共演した二人によるコラボレーション作品で、東京 CBS スタジオでの録音である。
全4曲入り。短い曲は2分台、長い曲は20分弱と極端だが、基本的に繰り返しの多い音楽であり、西洋音楽的な起承転結（イントロとかサビとか）はまったくない。また、デジタル・シンセサイザーとアフリカの民族楽器のデュオだけれども、曲想自体はほとんどアフリカ寄りになっている。のちに一世を風靡したワールド・ミュージックの先駆的な作品といってよいだろう。
ハービーが主に弾いているのはヤマハ DX-1 というデジタル・シンセサイザー。DX7 は音声がモノラル出力だったが、こちらはステレオ出力である。しかし、この時代のデジタル・シンセは（多重録音には向いているのだが）一発録りだと音が薄いのが難点だ。ムサ・スソが弾く kora の厚みのある音に比べて、どうしても貧弱に聞こえるのである。10年くらい早すぎたのではないかと思う。