Herbie Hancock / Sound-System

Sound System

Sound System

  • 1984年録音。
  • Herbie Hancock (key), Bill Laswell (el-b, drum programming, tapes), Geand Mixer D.ST. (turntables), Nicky Skopelitis, Henry Kaiser (g), Bernard Fowler (vo), Wayne Shorter (ss, Lyricon), Toshinori Kondo (tp), Anton Fier (elecronic drums, perc), Daniel Poncé, Aïyb Dieng, Hamid Drake (perc), Foday Musa Suso (kora, g, perc), etc.
  • "Future Shock" に続くエレクトロ・ファンク・アルバム。Simmons Electronic Drum やヤマハ DX7 を導入し、典型的な80年代サウンドになっている。と同時に、ガンビア出身のコーラ(ギターのような弦楽器)、打楽器奏者、フォーディ・ムサ・スソの参加により、ワールド・ミュージック風のアプローチを行っているのも特徴だ。
  • 全6曲入り。CD は (2) のリミックス・ヴァージョンが追加されている。
  • (1) は "Rockit" に似た曲。どう考えても二番煎じだし、その割に音圧が低くてがっかり。
  • むしろ、(2) をトップの持ってきたほうが良かったのではないかと思う。サンプリングされた人間の声とムサ・スソのアフリカン・サウンドが絶妙に響きあう不思議なデジタル・ファンクである。
  • (3) はハービーのアコースティック・ピアノとアフリカ風ヴォーカルを中心とした曲。ウェイン・ショーターのソプラノ・サックス・ソロは、(当時低調だったウェザー・リポートと全く違って)非常に良いと思う。
  • (4) はメジャー・キーのやけに明るいファンク。そんなに話題性のある曲とは思えないのだが、1984年に開催されたロスアンジェルス・オリンピック公式アルバムに、TOTOクリストファー・クロスとともに収録されていた。(当時の音楽シーンにおけるハービーのポジションがわかるかもしれない。)
  • (5) は R&B シンガー、ティミー・トーマスの73年のヒット曲のカヴァー。TR-808リズムマシン)と DX7 の音がやたらとチープに聞こえるが、わりと原曲もこんな感じの曲である。ヴォーカルのバーナード・ファウラーはそんなに上手い人だと思わないのだが、この曲に関しては名歌唱だと思う。
  • (6) はまたしてもデジタル・ファンク。オーケストラ・ヒット(ジャン!という音のやつ)が多すぎて食傷気味になる。トランペット奏者、近藤等則が70年代のマイルス・デイヴィス風ソロを聞かせる。