Herbie Hancock / The Piano

PIANO

PIANO

  • 1978年10月25, 26日録音。
  • Herbie Hancock (p)
  • ハービーにとって初の(そして今のところ唯一の)ピアノ・ソロ・アルバム。"Directstep" の直後に日本で録音・製作されたアルバムで、同じくダイレクトカッティングによる16分ずつノンストップ一発録りである。また、CD の解説によると、1979年1月21日に "Directstep" と2枚同時に発売されたらしい。
  • 全7曲入り。(1)〜(3) はスタンダード・ナンバー。(4)〜(7) はハンコック作曲のオリジナル。どちらもタイマーで計ったようにぴったり16分に収まっている。また、CD に追加収録されている (8)〜(11) は合計21分であり、一発録りとは別のテイクだと思う。
  • 抒情的なフレーズ、しっとりとしたタッチのピアノは、70年代のハービーには珍しい傾向のもので、優れたソロだと思う。だが一方、ときどき間が空いたり、展開に迷いが感じられたりする部分があって、彼はソロが苦手なんだろうなあ(だからソロ・アルバムを作らないんだろうなあ)と想像したりもするのである。
  • スタンダード・ナンバーの3曲は、マイルスと共演していた時のレパートリー。どちらかといえば無難な選曲なのだが、どれも似たような雰囲気になってしまっている。むしろ、後半のオリジナル曲のほうが印象的だと思う。
  • (5) "Sonrisa" は、アルバム "Feets Don't Fail Me Now" に収録されていたヴォコーダー曲 "Trust Me" を改題した同一曲。のちにウェイン・ショーターとのデュオ・アルバム "1+1" (1997年)で三たび取り上げられている。この中では本作のソロ演奏が一番好きだ。