Ron Carter / Uptown Conversation

  • 1969年10月6, 7日録音。
  • (1), (2), (4), (5) …… Ron Carter (b, piccolo b, el-b), Hubert Laws (fl), Sam Brown (g), Herbie Hancock (p, el-p), Gredy Tate (ds)
  • (3), (6), (7) …… Ron Carter (b), Herbie Hancock (p), Billy Cobham (ds)
  • ロン・カーターのリーダー第2作。1作目を発表したのが1961年だから8年ぶりの作品だったことになる。内容は上記のとおり、2日間の二つのセッションを録音したもので、レコードの A 面・B 面それぞれ、曲が終わらないうちに1〜2分間の無伴奏ベース・ソロが始まり、それから次の曲に移る構成になっている。
  • 全7曲入り。作曲はすべてロン・カーター。ただし (6) はハンコックの曲をアレンジしたもの。
  • (1) はクインテットによる8ビートのジャズ・ロック。ロンはピッコロ・ベースのソロを多重録音で演奏している。
  • (2) は前半、ベース・ソロ。後半はサム・ブラウンのアコースティック・ギターが加わって、次第に盛り上がる。
  • (3) はトリオ演奏だが、大半はベース・ソロ。10分を超える前衛的な曲で長すぎる。こういう曲になると、チック・コリアミロスラフ・ヴィトウスに負けてしまう。(A 面はここまで。)
  • (4) はマイルスの "E.S.P." 収録曲の再演。良い曲なのに、2分47秒は逆に短すぎ!
  • (5) はフルートが奏でるテーマの美しいバラード曲。冒頭(あるいは曲間)のベース・ソロは後から編集で挿入されているようだし、不要なのではないか。
  • (6) はハービーの "Speak Like A Child" 収録の "First Trip" にそっくりで、ほぼ同じといってよい曲。なぜこういう変ないじり方をしたのかさっぱりわからないのだけれど、演奏は一番良いと思う。派手なドラム・ソロが聞こえるが、後年のビリー・コブハムに比べたらおとなしいものである。
  • (7) は同じく "E.S.P." 収録曲 "Mood" の再演。ただし、曲名の綴りが逆で "Doom" になっている。7分間の曲の大半がベース・ソロ。
  • ロン・カーターの一番の名盤は何か? と聞かれたら "E.S.P." と答えざるを得ないのである。収録曲全部が名曲、名演奏で、しかも3曲をロンが作曲しているのだから。で、その次くらいが、本アルバムということになるかもしれない。