Herbie Hancock / Speak Like A Child

Speak Like A Child (Remastered)

Speak Like A Child (Remastered)

  • 1968年3月6, 9日録音。
  • Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Mickey Roker (ds), Jerry Dodgion (a-fl), Thad Jones (flh), Peter Phillips (b-tb)
  • ハービーのブルーノート第6作。ピアノ・トリオ + ホーン・セクションという編成の異色作である。
  • 全6曲入り。(3) と (6) はピアノ・トリオ。それ以外の曲には管楽器が加わっている。
  • ホーン・セクションは、フリューゲル・ホルン、バス・トロンボーン、アルト・フルートという編成で、ソフトな音色の楽器ばかりだが、彼らのソロはなく、ひたすら伴奏に徹している。そして、そのアンサンブルが実に見事なのだ。ハービーの作・編曲の才能がここに完成しているのである。そして、アドリブ・ソロは全てピアノ。ハービーのピアノをこれほど堪能できるアルバムは、他に存在しない。
  • タイトル曲 (2) がやぱり素晴らしい。楽曲、アレンジ、演奏とも完成度が高く、何度も聴きかえしたくなる魅力を持っていると思う。
  • (1) と (6) はマイルス・デイヴィスクインテットの演奏で発表済みの曲の再演。アレンジがまったく違っていて、斬新な解釈に驚かされる。
  • ロン・カーター作曲の (3) はチャーミングな佳曲で、ピアノとベースのコンビネーションが素晴らしい。そして、エンディングで突然転調し、空中に吸い込まれるかのようにフェイドアウトしていくアイデアは見事。
  • と、良いことばかり書いたが、このアルバム、音質が非常に悪いのである。高域がこもっていて、全体にもやもやした感じの音なのだ。CD なのに、ところどころスクラッチ・ノイズも聞こえる。リマスター盤もほぼ同様なので、なんとか改善されないものかと思う。