キング・クリムゾン/太陽と戦慄


  • 1973年発表。"Lark's Tongues In Aspic"。
  • メンバーは、ロバート・フリップ(g, mellotron)、デヴィッド・クロス(vln, viola, mellotron)、ジョン・ウェットン(b, vo)、ビル・ブラッフォード(ds)、ジェイミー・ミューアperc)。
  • 前作『アースバウンド』ツアーの後、バンドは解散(というかフリップ以外全員脱退)。間もなくフリップは新メンバーを集めて第3期キング・クリムゾンを再始動する。元イエスビル・ブラッフォード以外は無名の新人だったにも関わらず、超人的なテクニシャンが揃い、2年余りの間に4枚のアルバムを発表し、多くのライヴ演奏を行った。当時のライヴ音源は後年次々と CD 化され、いまだに旧音源発掘が続いている。ちなみに、『太陽と戦慄』製作時、フリップは26歳。他のメンバーは20代前半だった。それにしてはどの作品もやけに老成している感がある。
  • 上の動画は "Easy Money"。モップを絞ったり布を引き裂いたり鉦を鳴らしたり、さまざまな効果音が印象的な曲。高音域を思い切り上げたような耳障りなサウンドが本アルバムの特徴だが、ジョン・ウェットンのざらざらしたヴォーカル、フリップの歪んだギターの音と組み合わさって、不思議に気持ちよく聞こえる。


  • もう1曲。こちらの動画は "Lark's Tongues In Aspic, Part 1"。サルバドール・ダリみたいな髭をはやしてドンドンパフパフやってるのがジェイミー・ミューア。ウェットンのベースとフリップのギターは、ストロークが無駄に大きくて変だ。ヴィオラのピッチが時々狂っていたりして全体に残念な演奏である。70年代クリムゾンの演奏風景の動画は貴重だと思うものの、アルバム・バージョンの完成度の高さには遥かに及ばない。
  • ジェイミー・ミューアは本アルバム発表前に脱退。その後、修道院(もしくは仏教の寺院)に入ったとか画家になったとか言われ、詳細は不明だが、音楽活動に参加したのは本作1枚のみである。


Lark's Tongues In Aspic: 40th Anniversary Series

Lark's Tongues In Aspic: 40th Anniversary Series