ジェネシス/コーリング・オール・ステーションズ


  • 1997年発表。ジェネシスにとって現在、最新(最後)のスタジオ録音アルバム。"...Calling All Stations..."。
  • メンバーは、レイ・ウィルソン(vo)、トニー・バンクス(key)、マイク・ラザフォード(g)。サポート・メンバーとして、Nir Zidkyahu と Nick D'Virgilio (読み方さえわからない)という二人のドラマーが参加している。
  • 1996年、長年バンドの中心的存在だったフィル・コリンズが脱退(脱退の時点で、彼の人気はかなり落ち目だったことは特記しておきたい)。本作は、残されたトニー・バンクスマイク・ラザフォードが(特にトニーが中心になって)若手ヴォーカリストを起用して製作したアルバムである。
  • 結論から言おう。大失敗作なのである。上の動画はタイトル曲だが、こういうミディアム・スロー・テンポの暗い感じの似たような曲ばかりなのだ。イギリスでは2位のヒットになったが、アメリカや日本では全く売れず、翌年まで続いたツアーは不入りのため途中でキャンセル。とうとうジェネシスは活動停止してしまう。
  • 日本では全く無名だった新人ヴォーカルのレイ・ウィルソンは1968年生まれで、録音当時28歳。Stiltskin というバンドで1994年に発表した "Inside" という曲がリーバイスの CM で使用され、全英1位となった。以下の動画がその曲である。

  • 力強いパワーコード、典型的なグランジ・ロック・ナンバーである。レイの声質、歌唱法にはこういうヘヴィーなロックのほうがはるかに合っていると言わざるを得ない。とにかく、立て続けに二つのバンドをつぶしてしまったトニー・バンクスの責任は重大といえよう。(他のプログレ・バンドのメンバーやフィル・コリンズ等と比べて、人脈が極端に狭かったのも一因だと思う。)
  • レイ・ウィルソンは1998年にジェネシスを脱退。その後はシンガー・ソング・ライターとしてソロ活動、また Stiltskin 再結成と活動を続けているらしい。
  • 一方、ジェネシスは2007年にフィル・コリンズが一時的に復帰してツアーを再開したが、フィルの体調不良(脊髄手術の後遺症と伝えられる)によりバンドとしての活動を完全に停止した。


Calling All Stations (W/Dvd)

Calling All Stations (W/Dvd)