フィル・コリンズ/フィル・コリンズIII


  • 1985年発表。フィル・コリンズのソロ第3作。"No Jacket Required"。
  • ジェネシスのドラム&ヴォーカルを長年つとめたフィル・コリンズにとって、1980年代は最も忙しい10年だった。バンド活動以外に、ソロ・アルバムを次々と発表、自身のバンドによるツアー、映画音楽、映画出演、プロデューサー業と、活動の領域がどんどん拡がっていった。
  • 特に、本アルバムと次作 "...But Seriously" ではポップ・ヴォーカリストとして頂点に立ち、これらを聴いてファンになったリスナーは彼が元々ドラマーだったことすら知らない、というような現象もあったのである。
  • 本アルバムはエレクトロニック・ファンク・ナンバーを中心としたフィル・コリンズの最高傑作。フィル・コリンズヒュー・パジャムの共同プロデュース作品である。
  • 上の動画は、アルバム冒頭の "Sussudio"。リズムがめちゃめちゃかっこいい曲だが、ここでは生ドラムではなく、ローランドの TR-909 というリズム・マシンが用いられている。シーケンサーやリズム・マシンを使用したいわゆる「打ち込み」はすでに存在していたが、こんな風に正面からファンクに取り組んだ曲は初めてだったので、当時本当に驚いたものだ。(今聴いてもこの曲はかっこいいと思う。)
  • 1981年以降のフィル・コリンズジェネシスの作品にはThe Phenix Horns という4人組のホーン・セクションが参加しているが、元々彼らはアース・ウィンド&ファイアのホーン・セクションとしてキャリアを積んできた人たちである。ところが、1983年に EW&F の元を離れ、彼らはフィル・コリンズ・バンドの一員として10年近く活動することになる。


No Jacket Required

No Jacket Required