ジェネシス/トリック・オブ・ザ・テイル


  • 1976年発表。"A Trick Of The Tail"。
  • メンバーは、フィル・コリンズ(vo, ds)、スティーヴ・ハケット(g)、マイク・ラザフォード(b, g, bass pedal)、トニー・バンクス(key, g)。
  • ピーター・ガブリエルの脱退に伴い、バンドは存続の危機を迎える。しかし、ドラムのフィル・コリンズがリード・ヴォーカルを兼任することにより、ジェネシスは以前よりも人気を集めることになった。
  • フィル・コリンズがヴォーカル!? と当時は誰もが驚いたものだが、実際は彼が参加した "Nursery Cryme" 以降のすべてのアルバムで、フィルはサイド・ヴォーカルを担当しており、リード・ヴォーカルも何曲か歌っていたのだ。(ピーターと声が似ていて、目立たなかっただけである。)
  • アルバムは、リズムを強調した激しい曲と静かな曲が交互に収められており、最後のインストゥルメンタル曲、"Los Endos" がリプライズになっていて、全体にまとまりのある構成となっている。
  • ピーターが脱退した分、残ったメンバー全員が異様に発奮していることがわかる演奏である。また、本作以降、各曲の作曲者名(一人または複数の共作者名)がきちんとクレジットされるようになった。
  • 上の動画はアルバム1曲目、"Dance On A Volcano"。以降のコンサートで最初か最後に演奏されたドラマティックなプログレ曲だ。
  • 前作までの暗さが消え、明るい印象のアルバムである。マイク・ラザフォードのベースのリフは後退し、ベース・ギターの上にベース・ペダル*1をダビングして、音の厚みを増している。また、スティーヴ・ハケットのギターも本作あたりで完成されている。
  • 2007年リマスター盤では、音の厚さと拡がりが顕著になっているので、これも買い換え必須だと思う。


A Trick of the Tail

A Trick of the Tail

*1:初期はハモンド・オルガンのペダルを使っていたが、この頃は低音域を鳴らすシンセサイザーを使用している。