ジェネシス/怪奇骨董音楽箱


 バンドはまだステージ活動を続け、そのうちに名前も次第に売れてきた。ギタリストを探していたピーターは、一九七〇年十二月号のメロディ・メーカー紙に載ったこんな広告を見つけた。「現在の停滞した音楽形式を超えて、やる気のあるミュージシャン求む。当方、ギタリスト兼ライター」


 スペンサー・ブライト『ピーター・ガブリエル(正伝)』(音楽之友社

  • 新ギタリスト、スティーヴ・ハケットはこうやってジェネシスに加入した。また、ドラムのフィル・コリンズは15人のオーディションから選ばれた。70年代前半の最強メンバーがここに揃ったのである。
  • 初めてのヨーロッパ・ツアーの結果、3枚目のアルバム、『怪奇骨董音楽箱(ナーサリー・クライム)』はイギリスでは39位止まりだったが、イタリアで4位、ベルギーで1位を獲得した。
  • 上の動画は、1972年にベルギーのテレビに出演したときのもの。曲は "The Musical Box"。前半、トニー・バンクスが12弦ギターを弾いている。バスドラが2個セットされているが、片方はピーター・ガブリエルが鳴らしていたもの(メンバーには評判が悪かったらしい)。長髪だったフィル・コリンズはサイド・ヴォーカルを歌っている。

  • こちらの動画は、"The Ruturn Of The Giant Hogweed"(巨大ブタクサの逆襲)。イントロで、スティーヴ・ハケットが早くもタッピング(ライトハンド)奏法を披露している。ピーター・ガブリエルの動きがくねくねしていておかしい。
  • いずれも複雑な曲構成とアレンジだが、全体にまだヘタウマレベルであって、技術がついて行ってないようである。だが、ジェネシスはこの後どんどんテクニックを磨いていく。


Nursery Cryme

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