イエス/フライ・フロム・ヒア


  • 2011年発表。10年ぶりのスタジオ録音アルバム、"Fly From Here"。
  • メンバーは、ベノワ・デヴィッド(vo)、スティーヴ・ハウ(g, vo)、ジェフ・ダウンズ(key)、クリス・スクワイア(b, vo)、アラン・ホワイト(ds)。
  • 新人ヴォーカリスト、カナダ人のベノワ・デヴィッドは、アマチュア(イエスコピーバンド)出身で、YouTube の演奏を聴いたクリス・スクワイアが連れてきたらしい。ベノワは2008年のツアーよりイエスに加入し、2012年まで在籍した。
  • 本作の呼び物はバグルスの二人、トレヴァー・ホーンジェフ・ダウンズの31年ぶりのアルバム参加である。トレヴァーはプロデューサーとして参加し、二人とも作曲でおおいに貢献している。
  • アルバムの内容も、バグルスが参加した『ドラマ』(1980年発表)の続編あるいは現代的な焼き直しといった感じのもので、目新しさはないが、耳に心地よいプログレッシヴ・ロックを久しぶりに聴くことができる。
  • 上の動画は、アルバム8曲目 "Life On A Film Set"。後半、アップテンポになってからの展開がドラマティックな佳曲だ。ジョン・アンダーソンの抜けたイエスということで賛否両論あるのだろうが、ベノワ・デヴィッドの透き通った声質は、この曲のような多重録音のコーラスには向いていると思う。(ラストの不協和音のコーラスは素晴らしい。)
  • 9曲目 "Hour Of Need" では、珍しくスティーヴ・ハウがリード・ヴォーカルを歌っている(ベノワ・デヴィッドのオクターブ下のユニゾン)。
  • 以下の動画は、本アルバムのメイキング・ビデオ。ヴォーカルを除き、平均年齢60歳を超えたメンバーの近影である(トレヴァー・ホーンカーネルおじさんみたいだ)。イエスは昨年より新ヴォーカリスト、ジョン・デイヴィソンを加えて、今年もツアー続行中とのこと。これからも新しい音楽を届けてくれることを期待したい。


Fly from Here

Fly from Here