イエス/キーズ・トゥ・アセンション


  • 1996年3月に行われた3日間のライヴ音源および同時期のスタジオ録音を併せて発表された変則的なアルバム。2枚組CD×2セットという構成で、原題はそれぞれ "Keys To Ascension" (1996年発表)および "Keys To Ascension 2" (1997年発表) 。
  • メンバーは、ジョン・アンダーソン(vo)、スティーヴ・ハウ(g)、リック・ウェイクマン(key)、クリス・スクワイア(b)、アラン・ホワイト(ds)。
  • 1970年代のメンバーに戻ったため、「イエス完全復活」というキャッチコピーがつけられているが、演奏内容はひどいものである。
  • 全体にテンポが不安定だったり遅めだったり、あるいはキーを下げていたりする。"Keys To Ascension" というタイトルに反しているわけである。テンポのもたついた「危機」、キーの低い「究極」なんて聞きたくないと思う。
  • ライヴの選曲は70年代の曲ばかりで、80年代以降の曲がない。1のほうが珍しい曲が多くまだ楽しめるが、2は完全に蛇足。それに、2は次の作品となる『オープン・ユア・アイズ』とほぼ同時期に発表されたため、ほとんど無視されていた。
  • 抱き合わせのような形で収録されているスタジオ録音の新曲も習作レベルであり、つまらない。
  • と、さんざん貶してきたが、イエスのライヴ盤はもうだめかというと、そんなことはなくて、2000年発表のライヴ盤『ハウス・オブ・イエス』は大傑作なのだから、あなどれない。
  • 上の動画は2の最後に収録されているスタジオ録音曲、"Sign Language" *1スティーヴ・ハウリック・ウェイクマンのデュオ演奏である。リック・ウェイクマンは本作の後、またしても脱退。2002年に再加入したが、スタジオ録音は本作が今のところ最後の作品となっている。


キーズ・トゥ・アセンション?イエス完全復活

キーズ・トゥ・アセンション?イエス完全復活

キーズ・トゥ・アセンション2

キーズ・トゥ・アセンション2

以下は、1と2を全部(CD4枚分)収録したMP3アルバム。1,500円。

Keys To Ascension

Keys To Ascension

*1:本作のスタジオ録音曲のみを集めたアルバム、"Keystudio" が2001年にアメリカで発売された。