イエス/ロンリー・ハート


  • 1983年発表。原題 "90125"。
  • メンバーは、ジョン・アンダーソン(vo)、トレヴァー・ラビン(vo, g, key)、トニー・ケイ(key)、クリス・スクワイア(b)、アラン・ホワイト(ds)。
  • 前作『ドラマ』以降、スティーヴ・ハウ(g)とジェフ・ダウンズ(key)が Asia 結成のため脱退。イエスは一時活動停止(当時は「解散」と呼ばれた)となるが、南アフリカ出身のマルチ・プレイヤー、トレヴァー・ラビンを迎え、新バンドとして再スタート。ジョン・アンダーソンとトニー・ケイが復帰した。*1
  • 『ドラマ』でヴォーカリストを務めたトレヴァー・ホーンは、本作ではプロデューサーとして参加。本作の大ヒット以降、イギリスを代表するプロデューサーとして、現在まで活躍を続けている。
  • 上の動画は、全米1位となった「ロンリー・ハート」(原題 "Owner Of The Lonely Heart")。アルバム中の他の曲に比べて、そんなに優れた楽曲とは思えないのだが、斬新なアレンジとトレヴァー・ホーンによる大胆なミキシングにより、80年代を代表するポップ・ロックとなった。
  • その他の曲は、変拍子も複雑なアレンジも健在なのだが、70年代的なプログレとは全く異なった雰囲気を持っている。ギターもキーボードもヴォーカルもこなすトレヴァー・ラビンの活躍が目立つためであろう。(コーラス・ワークも抜群である。)
  • 最近知ったのだが、このアルバム、バリバリのデジタル・サウンドなのに、アナログ録音なのだそうである。(デジタル録音は1980年頃より一般的になっていた。)イエスがデジタル録音を導入したのは次作、『ビッグ・ジェネレーター』(1987年)以降とのこと。レコーディングに関して、イエスは意外に保守的な面を持ち合わせていたのかもしれない。


ロンリー・ハート

ロンリー・ハート

*1:トニー・ケイは正式メンバーとしてクレジットされ、ツアーにも参加しているが、本作のレコーディングにはほとんど参加していない模様。