イエス/イエスショウズ


  • 1980年発表の2枚組ライヴ録音盤 "Yesshows"。
  • メンバーはジョン・アンダーソン(vo)、スティーヴ・ハウ(g)、リック・ウェイクマン(key)、パトリック・モラーツ(key)、クリス・スクワイア(b)、アラン・ホワイト(ds)。
  • スタジオ録音盤『ドラマ』の直後に発表されたアルバムだが、内容は1976〜78年のツアー録音を集めたものであり、メンバーも録音当時の顔ぶれによるものとなっている。
  • 『ドラマ』ツアーの後、イエスは解散(活動停止)。『イエスショウズ』はその後にクリス・スクワイアによって編集された、と書かれているレビューが多いのだが、ちょっと違うのではないかと思っている。なぜなら、録音時期、演奏内容から考えて、お蔵入り音源を放出したとしか考えられないからである。
  • 選曲という点では、『イエスソングス』の続編的な構成になっていて、しかも同アルバムとは曲目のダブりがない。(ただし、2009年リマスター盤ではボーナストラックとして追加された2曲がダブっている。)しかし、ジョン・アンダーソン、リック・ウェイクマン、パトリック・モラーツがすでに脱退し、新メンバーでアルバム発売、ツアー開催を行っていた時期に、わざわざ旧作を出すのは、海賊盤対策が目的なのだろう。
  • 全体にベースとドラムの音量を強調したミキシングになっている。また「究極」では、ベースをオーバーダビングしているように聞こえる。
  • 本作の聞きどころは、パトリック・モラーツが参加している1976年録音の「錯乱の扉」(22分)、「儀式」(28分)の2曲である。いずれも長大で複雑な構成の楽曲であり、絶頂期のイエスの演奏を捉えた貴重な録音といえるだろう。
  • 上の動画は、初期のレパートリーから「時間と言葉」("Time And A Word")。この曲はその後何度もライヴ音源が CD 化されているのだが、どれもアレンジがまったく異なる。本作に収録されたヴァージョンでは、ジョン・アンダーソンがアコースティック・ギターを演奏している。
  • 下記の CD は2009年リマスター盤。この後、イエスはさらにメンバーを入れ替え、新しい音楽にチャレンジしていくのである。


イエスショウズ

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